謎解きは誰でもわかるほど簡単な部類だが、作品のテイストはなかなか面白い。
肝心な部分を「不定である」と読者に判断を委ねる形式になっているが終わり方がとても気分の良い仕上がりになっており、読後感はスッキリする。
また犀川と萌絵の絡みも今回は見ていて楽しい。「F」は萌絵がぶっとんでいたし、世界観が現実とかけ離れていてSFみたいだったくせにトリックがたいした事なかった。「冷たい」は平凡ではあるが論理はきちんとしていた。萌絵のメールは痛かったのとあんまり賢くないので設定との違いに違和感を感じたのは減点。「笑わない」もあんまり賢くないんだけど「ジャック」では活躍するらしいので期待しとくかな。
とりあえず、ショートカット設定なので脳内で髪型変更させてもらってます。お嬢様でショートカットは嫌だ。
ビリヤードの問題を解こうと思ってペンと紙をひっぱってきて挑戦してみたら10分程度で解けました。正解は時計回りに云うと「1,,5,2,10,3」ですね。球4つでもできるとかいう記述があるんだけど、どうやってもできんと思う――嘘つかれたかな。
森博嗣の面白さが詰まった作品だったんじゃないだろうかってことで☆4つにしとこう。推理小説のみの評価なら☆1つですけど。
数学の問題
1)10を2つ、4を二つ使い、足したり引いたり掛けたり割ったりして合計を24にしなさい。
2)7を二つ、3を二つ使って同様に合計を24にしなさい。
3)ビリヤードの球を5個選び、真珠のネックレスの様にリング状に結ぶ。隣同士の数は足してよいが離れた球同士を足すことはできない。これで1~21までの数字全てができるような球の数字と配列を答えよ。
1)は解けたんだけど10分近くかかるってしまった。頭の回転遅すぎて泣ける。
2)はおしいところまで行ったんだけど解に辿りつくまでにギブアップしてしまた。糸口は見つかってたのになあ。
3)は考え方はわかってるつもりなんだけど時間かかりそうでやってない。また答えは本書には載ってないらしい。
オリオン像の消えた謎
第2章で消えるんだけど、これは瞬殺でした。
事件
8章読了後推理開始。
オリオンの謎を解いた上で被害者の死亡推定時刻に当たる記述を読み直してみるとおのずと犯人が特定できました。
比較的簡単な部類なので詳しく書かない事にする。
猟銃襲撃
これが誰なのかが問題だね。
鈴木昇は男のような気がしたと云い、猟銃の扱いは下手で当然射撃も下手であった。
非常に曖昧な人物像の登場人物が3人いる。
天王寺博士と天王寺宗太郎、そして片山其生。
宗太郎は12前に車事故で死んでるが宗太郎本人だったのかが曖昧。
片山其生は5年前に偽装葬儀をして片山家の者は其生は死んだと偽っているが、上記3人の風貌は似ているし、宗太郎と其生は双子の可能性もあるのでこれも曖昧。
鈴木昇は博士に中学生になった時におまえはおれの息子だと言われたと語るが、昇が中学生になったのは5,6年前であり、博士本人ではなく宗太郎か其生が入れ替わっているかもしれない。
鈴木彰は天王寺律子か片山涼子の依頼を受け宗太郎の車に細工をした。事故後に宗太郎の遺作となる小説のファイルを涼子に渡して行方不明となるが屋敷の近くから白骨死体で見つかる。免許証があり鈴木彰だったので鈴木彰という断定でこれも曖昧な気もするが風貌が似ていないので鈴木彰だと僕も思う。死後5年は経っている。
この入れ替わりに関する謎は8章まで読んでも断定不可能となっているので創造力で解決するしかないと思う。
ということで僕が考えたストーリーはこうだ。
12年前、博士がオリオン像を消すトリックを見せ、この謎を解決した者に遺産を相続させると云った。このときある人物は目が見えない為にトリックが解けたんだと思う。
そうなると危機感を感じたのは天王寺宗太郎家です。実は養子であるらしいが長男に当たる者が相続するのが妥当でしょう。これに激怒した律子は宗太郎、鈴木彰と画策し、博士を車の事故で殺す。その後宗太郎は博士になりすます。世間的に宗太郎の遺作となった小説の内容は仙人に憧れる者が仙人に師事し、仙人がいなくなっていつのまにか彼が仙人自身となるストーリーであった。入れ替わりを知る彰を消去する。彰は涼子に遺作を渡したのは入れ替わりを知らせる為なんじゃないか暗号の様な感じで。5年前、博士となった宗太郎は昇に父親はおれだと告げる。彰が死んだ事を片山家は知ったはずである。だから其生の偽装葬儀をして其生を宗太郎から隠したんじゃないかな。宗太郎は地下室に閉じこもって何年も過ごすうちに狂人となり、世俗から外れ妻と息子に対しての愛情が無くなったと考えられる。しかも軽く借金もするような愚族である。
博士とある人物が共犯で襲撃者は其生なんかもしれない、博士が襲撃して、共犯では無いのどちらかだろうこれは。ってのが僕が考えた納得できるストーリー。
余談だけど3連勝中の坂本くんが4作目で全くわからんって困ってるwwwざまあwww
あとスカイクロラのアニメDVDを見たんですけど求めてる趣向の作品とかけ離れた趣向の作品で超つまらんかった。あんだけ淡々としてストーリーも進まずどうでもいいよくある終わり方で興味の無いテーマという駄作で二人とも0点という感想に為りました。時間の無駄すぎた。ひろしちゃんにとっては自分の代表作らしいので強いてすすめるなら小説版ですかね。
六百八十四頁まで読了。
個々までで京極堂が事件の真相を把握し、一つ大きな断定を宣言した。其れなら読者も此処で推理ゲームをしようじゃあないか。
『水晶の如き混沌の海』で遊ぶには『必然の浮輪』が必要で―――
○狂骨―――――今昔百鬼拾遺・下之巻――雨
狂骨は井中の白骨なり。
世の諺に甚だしき事を
きやうこつといふも、このうらみの
はなはだしきよりいふならん
先ずは概略で振り返って観様。章毎に簡潔に纏める。と云っても僕が忘れた頃に読み直す要なので流れはわかる程に長くなるとは思う。
1:八~四十三頁
宇田川朱美・旧姓佐田朱美は記憶に障害があり、記憶を取り戻した過去の自分、とは別のもう一つの過去の記憶を夢で観る。海鳴りが嫌いで海鳴りと共に別の人の過去を思い出し混乱する。
共通するのは双方とも鴨田酒造という酒屋に従事していた事である。更には朱美は酒屋主人の斡旋により前夫佐田由義と結婚をした。
八年前――昭和十九年の時であり、前夫は兵役忌避の上に自分でなく愛人と共に姿を消し首無し死体で発見される。朱美は愛人を殺す際に波に呑まれ記憶を思い出せなくなり、思い出すのに八年懸かった。
2:四十四~百三十三頁
伊佐間一成は三十路に成り立てと云う実年齢に似わぬ、好々爺の如き印象を人に与える。瓢箪鯰(ヒョウタンナマズ)の様な男なのだ。風体もまともではない。『旅荘いさま屋』を営んでいる。
伊豆に赴き釣をしていると川に墓参りをしている魔性の様な女と出会う。朱美であった。
月の初めは前夫の月忌日だと云い、朱美の家へ行くことになった。家は高台にあり切り通しを歩き二股を左に曲がる先にあった。
どうやら風邪を引いてしまったらしい伊佐間は暖と談を朱美から貰った。
「妾は人を殺したことがあるんでございますよ」
伊佐間は朱美に興味を持ち、最後まで話を聞いた。
ストーリー
E~Sまでとする。
フーダニット:犯人当て
E:提示されている、または考慮しない
D:誰でもわかる
C:標準
B:少しむつかしい
A:むつかしい
S:ほぼ正解しない
トリック
E:考慮しない
D:初級
C:標準
情景描写
C:あまり書いてない→会話で進行
B:標準
A:雰囲気でてる
本格
論理の素晴らしさ
E:破綻、アンフェア
D:最低限の説明
C:標準
総合
E:読む価値なし
D:ファン推奨
C:普通
B:読む価値あり
A:おすすめ
S:必読