ピラミッドは古代エジプトで、エジプトって単語にはあまり興味が湧かなかったりするが、読み進めると大変興味が湧いた。この謎は確かに世界が熱狂するスケールがあるね。
本書は島田荘司氏の新説であり、これがまた面白い。
犯人当てとトリックには釈然としないものがあり、トリックはどういう事が起こったかはわかったが具体的な科学的根拠には導きつかなかったのでそのまま最後まで読んだ。自分を教養人だとは思ったことはないが、この新説の解説部分を読んでいると科学的説明が無く、模型での実演が行われたのをイメージして「生で見たら信じてしまうんだろうな」程度で納得した。これ以降はネタバレになるので書かない。
全てのヒントはありフェアである全うな本格ミステリーであるが、真相を突き止めてやろう原動力を与える力は某氏の某館の方が強い。しかしこちらのほうが話が壮大でありストーリー展開が面白く傑作と素直に言えるものがあるのを感じた。
純粋な推理小説として評価をすると多少点数は低くなるとは思うが「ロシア幽霊軍艦事件」タイプの作品として見ると百点つけても善い。
また今回のレオナは「暗闇坂」・「アトポス」を読んでいるが、「水晶」のレオナが一番素敵な女性に描かれている。ビューティフルでインテリジェンスでチャッピーでアンハピネスだけどブレイブリーだ。
御手洗の演説がとても素敵な詩でこの文章力は素晴らしい。こんなにカッコイイのにキザに思えない彼はとっても魅力がある。必読の一冊じゃないか、なんで読みとばした。
他には、眩暈の伏線になってるかな。
知性の退化現象が見られはじめたと言われた石岡君だが今回は国外でもよく頑張った方だと誉めてやりたい。
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