・ハリウッド・サーティフィケイト
レオナが主役の長編で800Pある。親友の大女優が殺された事件を解決する。本編終了後、レオナの英雄譚は絶頂期を向かえ、その2年後に起こる大事件へと繋がる。(この2年後が10年近く出ないわけだが)
サーティフィケイトは資格っていう意味で、この本を読むとハリウッド女優への成り方がわかるぜ!勇気ある女性はどうぞハリウッドへ!
舞台がハリウッドで登場人物全て外人なわけだが、ジョークが効いててサスペンスフルなストーリー、ハードボイルドなレオナが主役で進行していき、もうこれ外国人作家の本だっけ?ていうくらいの完成度。
読みづらいのは150~200P、この部分だけは西洋のファンタジックショートストーリーが5,6本連続するので眩暈がしてきそうになるが、流す程度に読むなら800Pすらすら読めると思います。
第二の事件は簡単にわかり、中盤終わりごろで解決もするんだが、真相はなかなか難しい。ミスリードうまかったのと終盤の展開に引きこまれすぎて考える間もなくエピローグ読んじまった。
島田作品の女性登場人物でもレオナだけは別格の扱いだと思う。賛否あるとは思うが個人的には最高だ。
続きが気になるのもあり80点以上は確実にありますね。
・犬坊里美の冒険
アマゾンでは☆5つのバーゲンセールなんだけど個人的にはイマイチでした。
ところどころ首をかしげてしまうところもあるし、真犯人の行動もさくっと展開しすぎて物足りない。薀蓄も興味が引かれるほど濃く書かれて無く、論理も里美の思考では歴代最低クラスの思考能力となっていて特に為にもならない。
トリックはなかなか面白いとは思うが島田荘司に慣れている人なら中盤で解ける程度だったと思います。
里美という女性を一人称で描くよりは石岡くん視点で描く方が好きですね。彼女の口調がアレなので軽い頭痛をおぼえそうです。
舞台が地元だったのと550Pくらいあるが会話ベースで非常に読みやすいという2点をプラスして60点くらいかな。
里美の視点では本格ミステリーとしてのミステリー部分、つまり奇想の神秘性が表に出にくいと思う。しかし、良い面もあり、、、まあこれは解説でも読んでください。御大の想いなのでこれは。
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