ボス狩りの待ち時間に読み進めてました。
冒頭関森孝伯爵の話で始まり、龍臥亭に8年振りに集合した各面々と新規登場人物を交え、冬の片田舎での団欒で物語りはスローリーに展開される。里美も龍臥亭に帰ってきて、司法試験に合格したと報告をし、皆で祝う中、恋人が神隠しにあった青年が石岡に救いを求める。さらに法仙寺の新和尚から「森孝魔王」小説を借りて読んだり、睦雄が生前描いた絵画が現れ不気味な雰囲気が徐々に増していく。
焦点は神隠しにあった巫女の話であり、これが大きな謎を提供してくれ一気にストーリーは加速する。新嘗祭という祭事の最中、行方不明になった巫女。神社には警備をしていた警察官らも居たので即時捜したが見つからない。隠れる場所はどこにもなかった。大勢の視線が交差する巨大な密室ともいえる。地面は全面セメントで覆われていた。隠し通路の類も一切発見されなかった。
上巻終盤で巫女さんの死体が発見される。これが実に驚くべき場所であった。
ネタバレするが、
突如地震が発生し、地中が裂けた場所がありそこを覗くと巫女さんの死体があった。この断面を見るとなんと上にはセメントの部分があった。ありえないことにセメントの下に死体が埋められていたんだ。
思わず揉み手をしてしまった。流石、御大ですよ。これに論理的に解釈をつけてやるぜ!
上巻だけでは情報が足りないかな。犯人の予想ならたてれそうな気もするけど、まだこれからいくらでも犯人変更の余地はあるんで何も断定的な事は言えないなあ。
上巻はアマゾンではたしか☆三つくらいの低評価だったはずだが、実際200Pくらいまでは僕も☆三つくらいだよなーって読んでたんだけど神隠しの詳細が判明していくにつれ、すごく面白い作品だと思った。☆4つはあるよこれ。
これは石岡・里美シリーズにあたると思うがその為、ファンサービス向けに平凡な描写も割りと丁寧に書いたんかなってくらいスローテンポで、上巻の必要部分は実質100Pもあれば書けるんじゃないかってくらい割と薄い内容だが僕にはこれが丁度良いくらいのページ数だと感じたので不満は無い。
また、どうも知らない人物名が会話の中で出てきたので、なにかをとばしたな!と思ってwikiで確認したところ、どうやら「最後のディナー」に里美が出てくるみたい。これを先に読むべきだったなーと少し後悔はあるが仕方がないので前後するが後で読む事にします。加えて「ネジ式ザゼツキー」も傑作みたいなので、「摩天楼の怪人」の前に読もうかな。
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