深水黎一郎の海埜シリーズ3作目。
相変わらずの綺麗な文体で好きだなーって思う。
合間に挿まれる薀蓄も量が的確で無駄も無し。
作者に相当の知性を感じると思うがプロフ見てもらえると納得の学歴してます。
ただ頭良いせいかクライマックスの盛り上げ方に興味が無いのかわかんないけど常に淡々とした解決編になってます。
そこだけが悔やまれるがそこも味なんだと思う。
またオペラ「トスカ」の新解釈が書かれてるけど、これこの人のオリジナルみたいで誰もやってない解釈らしい。
作者もあとがきで誰かやってくれませんかと言ってるんだけど、これは誰かやってほしいなあ。
トスカは作中に書かれてる事しか知らないけど、この解釈こそ完成形って気がするわ。
完璧にフェアだし密室トリックも納得だし、情報量は少なすぎる感もあるが、ミスリードが知的と云っていいんだがオチの順番逆にしたほうが最後に与えるインパクトがでかいと思うんだけど、そうはならない、そうはしないの巻きで芸術的テーマにそぐわないからなんだろうかなぁ。
250頁しかないし戻って読む事もしなかったんで前半はずれの後半あたりでした。
解決編に辿り着いて再読する人は少なそうだから前半当たらないのがほとんどじゃないかな。
少なくなるような造りにわざとしてるとしか思えないけどw
最新作の「ジークフリートの剣」が人気あるみたいなんで期待してシリーズ進めて行くかな。
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